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2009-12-02[n年前へ]

Ruby版 Thinkpad 加速度センサ類取得クラスを書きました 

 Lenovo(旧IBM)のノートPC ThinkPad にはハードディスク保護を目的として、加速度センサが付いています。SSDを搭載している機種でも、(その他のハードウェアは共通化されているからだろうと思いますが)やはり加速度センサが付いているということです。

 以前、C++でThinkpad加速度センサ類取得クラスを作りましたが(このC++コードを眺めてみると、不要な部分が残っていたので、その点については後で修正します)、今回はRubyでそのクラスを組んでみました。作成したRubyソースは、ここに置きました(accelerometer.rb)。ソース最下部には、使用方法もコメントアウトした上で付けておきました。また、このバージョンはC++バージョン同様、最近のThinkpadでも動く実装になっています。

 読みやすさのために改行を適当に入れたソースは、下記のようになります。

# jun hirabayashi jun@hirax.net 2009.12.02

class Accelerometer
  require 'Win32API'

  attr_accessor :x
  attr_accessor :y
  attr_accessor :temperature
  attr_accessor :presentState

  def initialize
    begin
      @sensorFunctionAPI=Win32API.new("Sensor",
        "ShockproofGetAccelerometerData", ['P'], 'V')
      @buffer=' '*17
      if @sensorFunctionAPI.Call(@buffer)
        parse(@buffer)
        @offsetX=-@latestRawAccelDataX.to_i;
        @offsetY=-@latestRawAccelDataY.to_i; 
      end
    rescue
      'We have some problem.'
      exit!
    end
  end
  
  def parse(result)
    @presentState,@latestRawAccelDataX,@latestRawAccelDataY,
    @latestAccelDataX,@atestAccelDataY,@temperature,
    @atestZeroG_X,@atestZeroG_Y=result.unpack("iSSSSCSS")
  end 

  def getAccelerometerData
     @sensorFunctionAPI.Call(@buffer)
     parse(@buffer)
     @x=@latestRawAccelDataX.to_i+@offsetX.to_i;
     @y=@latestRawAccelDataY.to_i+@offsetY.to_i;
     return [@x,@y]
  end
end

 このRubyクラスを使った加速度取得スクリプト例は、下記のようになります。ちなみに、Xが(ノートPCに向かって)左右方向で、Yが奥行方向になります。これで、1秒おきにThinkpadの傾斜をコンソール出力します。

require 'accelerometer'

accelerometer=Accelerometer.new
10.times{ |i|
  puts accelerometer.getAccelerometerData.join(',')
  sleep 1
}

 MA5授賞式で面白いものを作っている開発者を見たせいか、何か色々作ってみたくなります。4年ほど前には、この加速度センサテクニックを使って「「未来の立体ディスプレイ」を作る」とか色々作ったような覚えがありますが、まだまだ色々な応用がありそうな気がしてきました。というわけで、まずは準備のために、今日はRuby版 Thinkpad 加速度センサ類取得クラスを書いてみました。

2009-12-04[n年前へ]

Thinkpad 加速度センサでExcel3次元グラフを未来のディスプレイ風にしよう 

 Ruby版 Thinkpad 加速度センサ類取得クラスを作ったので、さっそく何か加速度センサを使って遊んでみることにしましょう。まずは、とても簡単に「未来のディスプレイ」を作る風のことを、Ruby+Microsoft Excelで行ってみることにしましょう。

 というわけで、Thinkpadを傾けると、それに応じてエクセルの三次元グラフを(傾けた方向に応じた)さまざまな方向から眺めることができるという次のようなスクリプトを書いてみました。

 このスクリプトはまずエクセルで(適当な値を代入した)三次元グラフを作成し、(その後の30秒間にあなたがグラフを色々カスタマイズする時間を与えた上で)、30秒経た後にThinkpadの傾きに応じて三次元グラフを好きな方向からリアルタイムにグリグリ動かしながら眺めることができる、というスクリプトです。(動画は「Thinkpad 加速度センサ+RubyによるExcel3次元グラフ動画」で観ることができます)

require 'accelerometer'
require 'win32ole'

excel=WIN32OLE.new("excel.application")
excel['Visible']=TRUE
excel.Workbooks.Add()

excel.Range("a1")['Value']=1
excel.Range("a2")['Value']=1
excel.Range("a3")['Value']=1
excel.Range("a4")['Value']=1
excel.Range("b1")['Value']=1
excel.Range("b2")['Value']=2
excel.Range("b3")['Value']=2
excel.Range("b4")['Value']=1
excel.Range("c1")['Value']=1
excel.Range("c2")['Value']=3
excel.Range("c3")['Value']=2
excel.Range("c4")['Value']=1
excel.Range("d1")['Value']=1
excel.Range("d2")['Value']=1
excel.Range("d3")['Value']=1
excel.Range("d4")['Value']=1
excel.Range("a1:d4").Select()
excelchart=excel.Charts.Add()
excelchart['Type']=-4100
sleep 30 # wait time for custumize
accelerometer=Accelerometer.new
300.to_i.times do
  accelerometer.getAccelerometerData
  x=accelerometer.x
  y=accelerometer.y
  r=Math.sqrt(x*x+y*y)
  elevation=90-r.to_i
  rot=360-(Math.atan2(y,r)+Math::PI)/(2*Math::PI)*360
  excelchart.rotation=rot  # 0 to 360
  excelchart.elevation=elevation # -90 to 90
  sleep(0.2)
end
excel.ActiveWorkbook.Close(0)
excel.Quit()
 このスクリプトを動かせば、Thinkpadを傾ければ、低い角度からグラフを眺めたり、左右に倒せば左右の異なる方向からグラフを眺めたりする…ということができます。「未来風」かはさておき、現実世界で行う動作に適切に対応した動作、つまりは「実感・体感できる」ソフトウェアを作る、というのは何だかとても面白いものです。

 今回作ったスクリプトを動かしているようす、Thinkpad+Ruby+Microsoftエクセルでグラフを未来風にグリグリ動かしている様子を撮影した動画は、「Thinkpad 加速度センサ+RubyによるExcel3次元グラフ動画」として、公開しました。

Thinkpad 加速度センサでExcel3次元グラフを未来のディスプレイ風にしよう






2009-12-05[n年前へ]

Thinkpad 加速度センサ+RubyによるExcel3次元グラフ動画 

 「Thinkpad 加速度センサでExcel3次元グラフを未来のディスプレイ風にしよう」を操作しているようすを、ケータイのカメラで撮影してみました。それが、下の動画になります。Ruby版 Thinkpad 加速度センサ類取得クラスを使い、Excel 2007のグラフを視点を操作している、という具合の動画です。パースペクティブを適切につけておくと、上下方向の視線移動に関してはかなり自然に眺めることができます。(この動画実行のためのRubyソースは上記記事を参照してください)

 Excelの三次元グラフが、ElevationとRotationという、天頂近くで精度が低下しやすい座標指定方式なのと、Thinkpadの加速度センサが2軸方式で、鉛直線中心の回転を取得することができなかったりするところが(東芝のPCなどでは3軸取得が可能だったりするのですが)、「少しの変さ」をかもしだしていたりしますが、そこはそれ、Microsoft ExcelのグラフをノートPCの方向を変えると、それに応じた色々な方向から眺めることができる、というのは何だか面白い、とは思いませんか?

Thinkpad 加速度センサ+RubyによるExcel3次元グラフ動画






2009-12-13[n年前へ]

各種言語からのThinkpadの加速度センサ値取得方法 

 ThinkpadなどノートPCでは、ハードディスクの衝撃回避のために、加速度センサを搭載していたりします。私を含め、Thinkpadの加速度センサ値を取得し、色々遊んでいる人は多いので、今回は「各種言語からのThinkpadの加速度センサ値取得方法」へのリンクを作ってみました。私の知っているものを並べただけですので、「おいおい、この言語版もあるぜ」という情報などをjun@hirax.netまで頂ければ、リストを更新しておこうと思います。



2010-07-11[n年前へ]

デュアルディスプレイを搭載して復活した記念モデル──「libretto W100/11M」 

 「デュアルディスプレイを搭載して復活した記念モデル──libretto W100/11M

 libretto W100/11Mは、7型ワイド液晶ディスプレイ(解像度は1024×600ドット)を2面搭載したデュアルディスプレイノートPCで、両方のディスプレイにマルチタッチ対応のタッチパネルを内蔵する。本体に加速度センサーを用意して、本体の向きにあわせて画面の表示方向を切り替える機能を導入し、電子ブックリーダーとしての利用も想定、電子ブックリーダーアプリケーションの「FlipViewer」を標準で導入する。

 2面あるディスプレイは、連動して1つの画面として利用できるほか、オリジナルツールの「TOSHBA Bulletin Board」を使えば、専用のガジェットで用意されるメモ、時計、電卓、テンキーなどを自由に配置して使いやすいユーザーインタフェースをカスタマイズできる。さらに、レイアウトが異なる5パターンのソフトウェアキーボードを表示して、卓上に本体を置いて使う場合も立って本体を両手に持って使う場合も打ちやすいキーボードが選べる。なお、タッチパネルはフォースバックに対応するので、パネルをタップしたときには振動してくれる。



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